Thursday, January 3, 2013

世界市場におけるオリーブ・オイル需要の低下? いえ、国によっては需要がますます拡大しています。


 半年以上前になりますが、私たちは、ブラジル、中国、ポーランドそしてオーストラリアのオリーブ・オイル市場は苦境知らず、との見解を示しました。2011年度の最終データは、この半年で低下を見せたオーストラリア市場を除いて、この見通しを証明するものとなりました。では、2011年度の市場の趨勢を手短に振り返ってみましょう。

 2011年度は、オリーブ・オイルの世界的需要が9%高まり、45億ドルに達しました。しかし、世界の主要な買い手であるイタリア、アメリカ合衆国、フランス、ドイツがオリーブ・オイルに対する需要拡大の波に乗ったのに対し、スペインはこの3年の間に、イベリア半島を襲っている経済危機を理由に、買い手上位10位の座から姿を消し、11位に後退してしまいました。


 

 このランキングが示すように、中国市場が初めて2年連続で輸入量を増やし、2010年と比較すると72%上昇という驚異的な速度で成長しています。
 ところが、中国市場が「未来の市場」であることを強く打ち出しているのは事実ですが、いまだ世界市場全体の3%を占めているにすぎません。

 さて、ここからが本題です。もしオリーブ・オイルのビジネスで成功したいなら、いま注目すべき市場は、ブラジルです。
 そう、2011年の新星は間違いなくブラジルです。オリーブ・オイルの世界市場で買い手の順位第5位に輝き、今やその前を行くドイツに追いつく勢いで、とどまる様子をみせません。実際、2012年度も幸先の良いスタートをみせ、最初の2ヶ月で12.6%(前年比)の成長率を示し、その後も成長が続くとみられています。

 主にこの恩恵を受けているのはスペインとポルトガルの企業です。特にポルトガル企業は、ブラジルへのオリーブ・オイル総輸出額の半分を占めるに至りました。イベリア半島の経済危機は、競争国に新たな好機を与えていると言えます。今後のさらなる可能性から目を離すことができません。